仕組債と「オプション売り」 書評:デリバティブ汚染

 最近の図書館では収蔵された本がダブルと整理のために持って帰って良いというサービスを行うところがあり、そんな縁で手に入れた本がコレ
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 私がやっているオプショントレードもデリバティブなので丁度良い本があったもんだと何にも考えずに貰って来たのですが良著でした。

 内容はオプションではなくて「仕組債」についてその悪質さをぶった切っているんですがイロイロ示唆に富んでいます。


 仕組債っていうのはこの低金利時代に年5%とかの金利をうたって銀行や証券会社が売りまくってた債券

 ただし5%の金利が保証されるのは最初の1年だけでそれ以降は変動金利になり、その金利はなぜか為替レートが円高にふれると減少する。そしてある一定まで円高が進むと金利はゼロになり元本も割れてしまう。満期まで保有すれば元本が返ってくるけどそれは30年も先であると・・・


その損益グラフがコレー
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ああ~これってオプションの売りじゃんけ!


 顧客に債券を売ってその金を証拠金としてプットオプションを売り。そのオプションプレミアムが最初の固定金利の原資となる。

 その後相場が目論見通りに動けば、プットオプションの満期がきて再度プット売り。これが高利周りを生み出す。

 しかし相場が逆にはしるとプットの満期で権利行使が起きて、ドル買いポジションを持たされるのですね。含み損と共に。


 仕組債の問題点は上記に留まりません。

・リスク商品の運用が禁じられている組織に「債券」偽装したオプションを売りつけている。

・単純なオプション売り→カバードコールの手法だったらもっと期待利回りは大きくなるはずなのに5%で頭打ちになっている→証券会社がかなり抜いている。

・さらに言えばオプション売りの含み損は客に押し付けることができるのに証券会社は安全に利益を抜けるのでカナリ狡い商品設計


 いやースゴイわ。これ考えた人はダマシの天才ですわ。

いささか古い本ではありますので今時「仕組債」に騙される人もいないでしょうからこの本の社会的な役割は終わっていると思いますけど、仕組債を買うのとオプション売りに投資することの違いを考察するという私的には価値ある時間を過ごせました。

 仕組債に対してのオプション売りの優位点は・・・

・証券会社にオプションプレミアムを抜かれないので同リスクなら高利回り。

 これに尽きるかなと思います。







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